「なぜ、あの人にだけ心を奪われてしまうのか?」
『脳のバグらせ方』は、恋愛感情を“偶然の出来事”ではなく、脳の働きによって起こる現象として解き明かした一冊です。
著者・世良サトシ氏は脳科学の視点から「恋が生まれる仕組み」「惹かれ合う条件」「恋愛が長続きする脳の状態」を分析。
本記事では、そのエッセンスを 7つのポイント に整理して紹介します。
『脳のバグらせ方』要点まとめ
1. 恋は「脳の錯覚」である
人が恋に落ちる瞬間、脳内ではドーパミン・ノルアドレナリン・フェニルエチルアミンといった“幸福物質”が一気に放出されます。
これにより、「相手は特別」「この人でなければ」と錯覚するのです。
つまり恋は、理性ではなく脳の化学反応による誤認。
恋愛の苦しみや高揚感の多くは、この“脳のバグ”によって生まれています。
2. 「報酬系」を刺激する人に惹かれる
恋愛初期に強く惹かれる相手は、報酬系(快感や期待を司る神経回路)を刺激する人です。
たとえば「予想外の行動をする人」「少しミステリアスな人」は、脳に“変化”を与えるため印象に残ります。
恋愛で「追われるより追いたい」と感じるのは、脳が報酬を期待して動いている証拠です。
3. 「距離」と「希少性」が恋を加速させる
脳は“手に入りそうで入らない”対象に最も強く反応します。
心理学でいう「スカース効果(希少性の原理)」です。
すぐ会える人よりも、少し距離がある人のほうが、脳内では報酬物質が強く分泌されるため、恋愛感情が高まりやすいのです。
恋の駆け引きは“戦略”ではなく、“脳の習性”と言えるでしょう。
4. 見た目よりも「脳の一致感」で惹かれる
人は外見よりも、“会話のテンポ”や“反応のパターン”が合う相手に好意を持ちやすいことが分かっています。
これは脳の「ミラーリング効果」と呼ばれる現象で、相手の言葉や動きを無意識に模倣すると親近感が増します。
つまり、恋は顔より“リズム”。
「心地よさ」を感じる相手こそ、脳が「この人は安全」と判断しているのです。
5. 「恋が冷める」のも脳の仕組み
恋のドキドキは長続きしません。
半年〜2年ほどで、脳内のドーパミン量が安定し、恋の高揚が薄れるのは自然なプロセスです。
ここで“ときめき”を求めすぎると、「飽きた」「刺激が足りない」と感じやすくなります。
持続的な関係を築くには、恋愛ホルモンから「オキシトシン(安心のホルモン)」へと意識を切り替えることが大切です。
6. 脳は「似た人」より「補う人」に惹かれる
脳は、自分にないものを持つ人に強く反応します。
これは進化心理学的に“遺伝子の多様性”を求める反応です。
性格や価値観が真逆なカップルが惹かれ合うのも、この原理に基づいています。
ただし、長期関係を築くには「補い合う関係」を維持する努力が必要です。
7. 「恋愛脳」を育てる習慣がある
脳は可塑性を持つため、恋愛に前向きな思考を続けるほど“恋愛脳”は育ちます。
ポジティブな自己イメージ、笑顔、感謝の習慣は、脳の神経回路を強化し、「惹かれる体質」そのものを変えていきます。
恋愛がうまくいかない人ほど、「恋愛を遠ざけている脳の思考パターン」を見直す必要があります。
まとめ
『脳のバグらせ方』は、「恋は偶然ではなく、脳の反応で作れる」という新しい恋愛観を提示した実践的な啓発書です。
感情を理屈でコントロールするのではなく、脳の仕組みを理解して自然に惹かれる状態を作ることがポイント。
恋愛を理論で理解したい人、恋が長続きしない人、あるいは新しい恋を始めたい人にとって、まさに“脳で恋を作る”ヒントになる一冊です。